妊活体験談｜治療｜成功ストーリー

王懷麟（ワン・ファイリン）院長/医師

免疫の問題を克服！3年にわたる体外受精を経て、卵子提供で妊娠に成功

治療を自己卵から卵子提供に変更し、妊娠検査薬に2本のラインが出たのを見たとき、妊娠はそんなに難しいことではなくなったと思いました。しかしその後、なかなか心拍確認ができなかったり、子宮外妊娠だったり、さらに子宮内外妊娠（たった何万分の一の確率！）といった、本当に悲しくて落ち込む結果が続きました。

8回目の体外受精、卵子提供で妊娠成功

さまざまな試練がありましたが、神様が見捨てることはないと信じています。この患者さまは負けずに頑張り続けました。3年にわたる8回目の体外受精でついに妊娠することができ、ようやく治療を卒業することができたのです。共に頑張って新しい命を迎え入れましょう。

免疫問題、そして卵子・精子の品質問題があり卵子提供へ

治療卒業の日に、私は彼女にお願いして妊活成功のストーリーを書いてもらいました。

彼女の苦労の歴史は皆さんとシェアする価値があると思っています。

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2018年に結婚して体外受精治療を始めました。

年齢の関係で自分の卵子も夫の精子も質が悪く、さらには複雑な免疫問題も抱えていました。体外受精を3回行いましたが、最初は子宮外妊娠でした。

残りの2回は胚の質が悪く、自身の免疫の問題もひどかったため、毎回HCGが100を越えることがないまま着床せず終わってしまいました。もうあきらめていましたし、夫も私をこれ以上苦しませたくないと思っていたので、海外に行って代理母をお願いする方法も考え始めていました。

ところが、2020年からの新型コロナウイルスの影響で海外に行けなくなってしまいました。

友人に国内で卵子提供を試してみるのはどうかと提案され、王先生を受診して卵子提供の準備を始めました。先生はいつも私を安心させてくれましたが、治療のほうはなかなか順調にはいかず、初回の卵子提供でできた胚はごくごく普通のものが5個だけでした。

今回の移植では2個を選び、免疫治療の投薬を行いました。

移植7日目にはHCGが検出されましたが、白血球数が2万まで上がってしまい、14日目にはHCGも下がってしまいました。アプリに結果がすぐアップされるので、私は診察室に入る前に既にその結果を知ることになりました。

診察室に入ったとき、王先生は私以上に落胆しているように見えました。私は「着床できたけど、こちらの免疫の問題が原因ということがわかりました。皆さんもベストを尽くしてくれましたから、お気になさらないでください」と言いました。まずは自分の免疫問題をきちんとコントロールできてから治療を再開することになったのですが、それは結果的に1年半後のことでした・・・

免疫抑制剤やヘパリンで免疫問題をコントロール、ついに胚胎も

2021年12月に再び王先生を受診、免疫問題が解決したことを報告して今回は生物製剤は使わずに免疫抑制剤とヘパリンだけで挑みたいことを伝えました。

先生は「それで大丈夫ですか？」と少し驚いていましたが、「今まで生物製剤をたくさん使っても効果がなかったので、今回はこの方法で試してみたいです」とお願いしました。そして、最後の3つの胚に全てをかけることにしたのです。

今回は免疫のコントロールがとても安定していました。

HCG値が初めて1万を超えて胚も見えたのは大きな進歩だったのですが、卵黄嚢は確認できず。

診察室に入って王先生の顔を見たとき、私は涙があふれて止まらなくなりました。もう移植できる胚も残っていないと伝えると、先生に「私は退職することになっているが、あなたは別のドナーで治療を続けてください」と勧められました。私は同じ病院に残り、別のドナーからの卵子提供を待つことにしました。

飲み薬を減量し、自然周期移植へ

胚の質が良かったため、PGS検査を通過した正常な胚を1個をその病院で移植しました。

しかし、当初はうまくいくだろうと信じていたのが全く着床せず。

その後、免疫専門科で薬の過剰使用が原因で肝臓に負担がかかっていることが分かり、肝機能を保護する薬が出されました。結局、回復までには数ヶ月かかりました。

2022年8月に王先生がNUWA生殖医療センターへ移られたことを知り受診しました。

前回の移植後に肝機能が悪化したことを伝えたところ、王先生はびっくりして、今後は可能な限り飲み薬を減らしてジェルを使用し、そして自然周期で移植するようアドバイスをくださいました。

王先生はいつも母体のことを第一に考えてくれ、焦らずに移植を進めてくださるなぁと実感した場面があります。それは、私が普通の胚を3個移植してみたいとお願いしたのに対して「2個で十分」とおっしゃったときです。結局、私が3個移植という希望を出し、先生はそれを尊重してくださいました。

3個の移植後は、幸運にも妊娠したので喜んでいたのですが、1週間後に出血が始まりました。

以前に経験した子宮外妊娠のときのような違和感を感じていました。そして、夜中に片側がとても痛み出したので、これは何か問題があるとピンときました。

桃園にあるなでしこMFMクリニックへ駆け込み、医師に「3つの胚を移植していて、子宮外妊娠の可能性があるかもしれない」と伝えました。

超音波検査で子宮外妊娠が判明、手術へ

超音波検査で分かったことは、やはり子宮外妊娠だったことと子宮内妊娠も同時に起こっていたこと・・。私は、すぐに手術の決断をしました。翌朝に、王先生にもメッセージでこのことを報告したらビックリされていました🤣。

なでしこMFMクリニックで手術をすることにした理由は、NUWAと同じグループで双方の医師が私の完全な病歴を確認できるからです。子宮外妊娠の手術が行われた日の夜に王先生からお見舞いメッセージをいただきました。

王先生は本当に気遣いのお医者さんだと思います。

次の日になでしこの医師に子宮内にある胚の状態を確認してもらうよう言われ、診ていただいたところ残念ながら子宮内の胚はつぶれてしまっていて、持ちこたえられないだろうとのことでした。

王先生は数日後に診察にくるように声をかけてくださいました。

胚が萎縮していることを自らの目で確認した先生は「今回は持ちこたえられず残念だったが、次は必ず子宮内で着床してくれると思う」と、私を慰めてくださいました。

自然周期での移植。超音波に映った胚胎、そして妊娠12週に

こんなことがあったので、3か月ほど治療をお休みしました。

2023年春節明け、2月末ごろにはまた体調がよくなり移植できる状態になりました。

今度は王先生に「PGS検査済みの胚を1つだけ移植しましょう」と言われ、自然周期で移植することになりました。私のERA検査はすでに3年前のもので、タイミングがずれてしまうのではないかと心配していましたが、『自然周期なので着床のタイミングは心配いらない』と説明してくれました。

初めは治療が順調に進まず、先生に見捨てられるのではないかと不安になりましたが、最後には奇跡的にちょうど良いタイミングで移植することができました。

ところが、移植後7日目だというのに数値はずっと低いまま。

私はよく先生に「またダメだったかもしれないです」とメッセージを送ってしまっていました（ネットで見た情報が正確とは限らないと後から分かりましたが・・）。

先生は「大丈夫、数値は正常ですよ」といつも私を励ましてくれたのですが、ある朝「数値が上がらない、もうダメかもしれないです」とまた言ってしまいました。

すると「では今日は、直接胚を確認してみませんか？」と提案してくださいました。

私は、完全にダメだと思いながらNUWAに行きました。到着すると、スタッフの皆さんがとても親切に対応してくれました。私は以前出血でかかったことがあったので、今回もまた出血したと思ったようです。すぐにベッドを用意して、横になって待たせてくれました。

ちょっと笑いそうになりながら「出血はしていないんです。ただ数値が上がらなくて…」と伝えました。そのあと、王先生が来られエコーで確認。すると、なんと胚が見え、さらに卵黄嚢も確認できたのです！来週心拍の確認に来るよう言われ、家に帰りました。

実はこの瞬間、私の頭の中は真っ白になっていました。人生で初めて卵黄嚢が見えたのですから！しかも「小さくチカチカしているのが見えましたよ」と看護師さんがコッソリ教えてくれて、私の驚きはさらに大きなものになりました。それからというもの、状況は予想をはるかに超えて12週目まで問題なく成長してくれました。もう妊娠12週目に入ったなんて今でも信じられない気持ちです。