婷婷さんはある程度の年齢になっており、AMHの数値も良くなかったため、早いうちから医師に体外受精治療を薦められていました。
卵巣機能が低下しているため、医師から先にある一定数の卵子を集めてから治療をした方が成功率が高くなると言われていました。しかし、この方法では何回も採卵を繰り返してからでなければ体外受精や移植に進むことが出来ません。
婷婷さんはセカンドオピニオンを受けるため、私の元に診察へ来られました。
私は個人的には卵子や胚を集めるという方法は好きではありません。というのは、卵子や胚をたくさん集めたからといって胚の質が良くなるということはないからです。
胚まで育つのであれば、最初数回の採卵の分、いえ、たとえ初めての採卵だったとしても、妊娠に繋がる胚は出来ると思うのです。
私の元に来られてから初めての治療周期では1つの胚しかできず、移植しましたが妊娠には至りませんでした。
2回目の治療周期の際にはお薬を調整したところ、もっと多くの胚ができました。今回移植したところ、嬉しいニュースが訪れただけでなく、まさかの双子妊娠だったのです。(ごめんなさいね、わざと双子を妊娠するように仕向けたわけではないのですが)
このようなケースは高齢の方や卵巣機能が良くない方によくみられるケースです。
他の人よりも大きなプレッシャーがかかるかもしれませんが、何周期もかけて卵子や胚を集めることは必ずしも必要なことではありません。
胚があるなら移植しましょう。早めに良い知らせがくる可能性がありますよ。
📍卵巣機能が良くない方へのアドバイス:
胚や卵子を集めても、胚の質自体は良くなりません。
現時点での体外受精治療に対する助成制度でも卵子や胚を集めることは推奨していません。
胚生検をしたとしても、胚が良くなることはありません。
胚があれば移植しましょう。それが早く妊娠する方法です。