高年齢そして反復流産。医師が提案したのはPGSによる胚の選別
39歳の佳佳さん(仮名)は、過去に2度妊娠したもののいずれも流産してしまいました。この場合、反復流産に該当します。
佳佳さんはNUWA生殖医療センターに行き、生殖医学博士である朱伯威医師の診察を受けました。
朱医師は、佳佳さんの年齢を考慮して早急に体外受精治療を開始すること、そして着床前胚染色体スクリーニング検査(PGS/PGT-A)を行うことを提案しました。PGS/PGT-Aを行えば染色体に異常のない胚を選んで移植できるため、流産率を下げ妊娠までの期間を短縮できるという理由からでした。
佳佳さんの1回目の採卵では13個の卵子が得られました。ご主人の精子の運動率が基準値ぎりぎりだったことから胚培養士は顕微授精(ICSI)を実施。受精卵が9個でき7個が胚盤胞まで培養できましたが、検査を行ったところ、1個がモザイク胚で残りの6個は異常胚(移植不可能)との結果が返ってきてしまいました。
*注釈
モザイク胚とは?
PGS/PGT-A検査の結果は、胚は「正常胚(Euploidy)」「モザイク胚(Mosaic)」または「異常胚(Aneuploidy)」に分類されます。モザイク胚とは、胚の一部に染色体異常が見られる状態を指します。この異常の割合が高いほど、妊娠率が低下する傾向があります。
治療や胚培養の方法を見直すことでできた健康な胚
このような結果でしたが、朱伯威医師と胚培養士そして佳佳さんご夫婦は諦めませんでした。
2か月後に2回目の採卵を行い12個の卵子が採れました。ご主人の努力により精子の濃度と運動率が明らかに向上していたため、卵子の半分に自然授精を、残りの半分には顕微授精を行うことにしました。
🔸自然授精の結果
正常胚:2個
低頻度モザイク胚:1個
異常胚:2個
🔸顕微授精の結果
低頻度モザイク胚:1個
異常胚:2個
このように、自然授精のほうが顕微授精よりもはるかに良い結果だったのです。
生殖医療には専門知識と経験が重要!NUWAの医師と胚培養士の密な連携が妊娠へとつなげる
この経験を通じてお伝えしたいのは、時には自然に立ち返り自然淘汰の力を借りることで、良い結果が得られることもあるということです。その判断には、生殖医療医と胚培養士の専門知識と豊富な経験が欠かせません。
佳佳さんご夫婦が朱医師と胚培養士を信頼してくださったおかげで、最終的に正常胚を1つ移植し、無事妊娠に成功しました!すでに母子手帳を受け取りNUWAを卒業されています。
佳佳さんが無事に妊娠期間を過ごし、元気な赤ちゃんをご出産されることを心から願っています。