漢方治療

子宮内膜症

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子宮内膜症は慢性炎症性疾患であり、子宮内膜組織が子宮腔外に移動することで発症します。卵巣に現れると「チョコレート嚢腫(のうしゅ)」(Chocolate Cyst)、子宮筋層に蓄積する場合は「子宮腺筋症」(Adenomyosis)と呼ばれます。

子宮内膜症の発症原因はまだ明確には解明されておらず、ホルモン、免疫因子、遺伝が関連しているとされています。主な症状としては、激しい生理痛、腹部の重さ、頻繁な下痢があり、内膜が腸に癒着すると、生理時の下痢に腸のけいれん痛が伴うことがあります。中医学により、腹腔内の循環を改善し、免疫系を調整、炎症を軽減することで、内膜の正常な成長が促されます。原因が複雑なため、一般的に活血化瘀薬を使用するだけでなく、鍼灸、へそ蒸し、さらには埋線(マイシェン)などを個々の体質に応じて組み合わせて治療します。

よく見られるタイプ/体質
中医学では、子宮内膜症は瘀血(おけつ)によるもので、滞ると痛みを生じ、瘀血が長く続くと症瘕(しょうか)として結節や腫塊が形成されると考えられています。子宮内膜の「瘀血」が、一連の症状を引き起こす原因とされています。子宮内膜症の体質は主に瘀血症であり、瘀血を引き起こす原因には虚寒(きょかん)や熱鬱(ねつうつ)、腎虚(じんきょ)が関与しています。
虚寒に瘀血がある場合は、寒さを非常に感じやすく、気温が低いと手足が冷たくなりやすいです。氷や冷たい食べ物を摂りすぎると生理痛が悪化することがあります。月経時に温罨法で痛みが少し和らぎ、月経血が多く暗い色をしています。
熱鬱に瘀血がある場合は、暑さを嫌い、月経時には基礎体温が高めのままです。月経時の痛みが温罨法で和らぐことはなく、月経血が多く鮮やかな赤色をしています。

日常のケアや注意事項
子宮内膜症はホルモンや免疫に関連した炎症反応であるため、無闇に補うことは避けるべきです。補いすぎると症状が悪化する可能性があります。虚寒体質の方は生姜や辛温性のスパイスを含む食べ物を多く摂ると良いですが、熱鬱体質の方は冷性の野菜や果物を多く摂ることをお勧めします。

日常的には、緑色の野菜や柑橘類の果物を多く摂取し、抗酸化物質を補給することを心がけましょう。また、ビタミンDやオメガ-3不飽和脂肪酸を含む食品も積極的に摂りましょう。規則正しい生活習慣、適度な運動、十分な睡眠を維持し、夜更かしを避け、心の健康を保つことが治療に役立ちます。

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