お役立ち コラム
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「卵巣機能が低下したり早発閉経になるとどんな症状があるのですか?」という質問を受けることがあります。後悔したくないので早期発見を目指したいところですが、残念ながら早発閉経には初期症状がほとんどなく、月経が不規則なため検査をして発見されるケースがほとんど。そして、すでにその時には残っている卵巣機能がわずかだったということ多いのです。ただし、卵巣の機能は衰え始めてから完全に止まるまでには通常5年程度かかるので、以下に挙げるハイリスクグループにある方は早めからご自分の状態に注意を払うことが重要です。
➜ 家族歴(母親や姉に早期閉経がある)
➜ 卵巣に腫瘍があり、手術が必要
➜化学療法や骨盤の放射線治療を受ける予定
➜ 長期にわたり高いストレスにさらされている、或いは生活が不規則である
前述のように、早発閉経には明らかな前兆や症状がありません。そのため、ご自身の状態に普段から注意を払うことに加えて、もし妊娠をご希望の場合は卵巣機能検査を受けることも検討しましょう。現在一般的に用いられている評価項目は以下の2つです:
超音波検査時についでに確認できます。卵巣中にある2mm以上の小さな卵胞の数を数え、卵子の貯蔵量を推定します。片方の卵巣に7~8個の小卵胞があるのが正常です。経膣超音波で評価することがより正確であり、医師や技師の経験によって誤差が生じる可能性があります。
もし検査で早発閉経が見つかった場合、どうすればいいのでしょうか?
まずは日常生活の改善から始めるようすすめられます。
●生活習慣の改善と養生
生活リズムの調整や、規則的な運動とバランスの取れた食事を。体の基盤を整えることで、内側からのケアを行います。
●卵子凍結に向けて早めのプラニング
出産がまだの場合、早めに妊娠計画を立てることをおすすめします。必要ならば卵子凍結も視野に入れて。これにより将来の出産への可能性を残すことができるのです。
経歴:
衛生福利部雙和病院産婦人科 主任医師兼生殖医学センター主任
馬偕紀念病院産婦人科不妊症科主任医師
学歴:
国防大学国防医学院医学部
専門分野:
不妊症/冷凍胚胎・卵子凍結・精子凍結/体外受精/人工受精/卵胞チェック/生殖内分泌/子宮内視鏡/腹腔鏡/多嚢胞性卵巣症候群/子宮内膜症/子宮筋腫