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Dダイマーが高くなるのはなぜ?正常値を大公開!

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Dダイマーは血栓のリスクを評価する大切な数値です。しかしながら、様々な要因によって数値が上がってしまうことがあります。例えば、感染や炎症、外傷、手術、悪性腫瘍などです。また、妊娠中は基本的にDダイマーの数値が上昇します。

Dダイマーに関する迷信を解説-Dダイマーが上昇する原因は?

Dダイマー(DD複合体)という名前を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。これは 血栓中のフィブリンという物質が溶解された際に生じる物質です。基本的にDダイマーの感度は高く、特異度は低いため、多くの場合でDダイマーの数値が上昇する可能性があります。

通常この数値の測定は、肺塞栓や深部静脈血栓症などの重大な塞栓性疾患を排除するために用いられます。

時に生理的条件又は特殊な薬を服用している場合にDダイマーの数値が上がる可能性があります。例えば、妊娠、悪性腫瘍、喫煙、重大な外傷、感染、敗血症、直近で手術を受けたなど、他にも高齢者や寝たきり、免疫疾患がある方も数値が上昇することが分かっています。

排卵を促す注射(ovidrel)を打った後にも、フィブリンを分解する線溶反応が起こるため、一時的にDダイマーの数値が高くなります。

Dダイマーの正常値は幾つ?

正常な場合、Dダイマーの数値はおよそ0.5μg/ml(500 ng/ml)です。もし採血検査の結果でこの標準値を超えていた場合は、患者さまの現在の状況を評価し、考えられる原因を排除していく必要がありますが、Dダイマーの上昇が即座に血栓の発生を意味するわけではないので、慎重に対処しましょう。

ここに「非妊娠時」と「妊娠期別」Dダイマーの正常範囲の図を載せています。妊娠自体が凝固機能が高まっている状態にあるため、Dダイマーの数値は妊娠期ごとに変化し上昇します。そのため妊娠期間も軽い運動を続け、足が腫れていないかに注意してくださいね。

台湾の端午節にはちまきを食べる習慣がありますが、理論上ではちまきをたくさん食べてしまってもDダイマーの数値には影響しません。(でも胃腸がしんどいかもしれません~!)

Dダイマーの正常値


資料作成

NUWA生殖医療センター-沈孟勳(シェン・モンシュン)医師
副院長

専門分野:
体外受精、人工授精、卵子凍結、卵巣機能不全、早期卵巣機能不全、子宮内膜症、子宮腔鏡手術、高度産婦人科手術多嚢胞性卵巣症候群、內分泌異常、卵子研究、不成熟卵培養

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